チャリパイ14~最後のサムライ!




大声で喚くブタフィを四人で取り囲むと、腕組みをしたシチローが勝ち誇ったように言った。


「いくら命令したって、誰も助けに来ないよ。ブタフィ将軍!お前の悪巧みは破綻したんだよ!もう観念するんだな」



「た、助けてくれ!どうか命ばかりは……殺さないでくれぇ~!」


あの独裁者、ブタフィ将軍が態度も一変、まるで捕らえられた小動物のように震えていた。


自分が今まで行ってきた非道の数々……それらを振り返ってみれば、立場が逆転した今ブタフィは、ヒットラーやフセイン大頭領そしてガダフィ大佐のように殺されるものだと思ったに違いない。


しかし、そんなブタフィの様子を見たシチローは……


「殺す?
さぁ、それはアンタの心がけ次第だとおもうなぁ~♪それには、アンタには色々宣言してもらわなきゃならない事があるんだ♪」


そう言うと、ポケットからケータイを取り出しブタフィにこんな命令をする。


「まず、イベリコとは結婚しない事。それから、軍の将軍の役職を辞任する事。この二つを宣言してもらいたい!」


「宣言だと!なぜ私がそんな事をっ!」


「オイラはアンタの為を思って言ってるんだけどなぁ~
今の自分の立場を良く考えて判断するんだね、ブタフィ将軍!」


シチローは、ブタフィを殺すつもりなど全く無いのだが、疑心暗鬼でいるブタフィの前では敢えてそんな事は言わない。


結局、ブタフィはシチローの出した条件を飲む他に無かった。



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