チャリパイ14~最後のサムライ!
「ブタリア国民の皆さん。
え~~突然ですが、私、ブタフィは諸事情により本日をもってブタリア軍将軍の職を辞する事を皆さんに報告致します!
私は、ブタリア軍を去りますが、我がブタリア軍は永久に不滅です!
え~と、それから……一部の国民の間で、私とイベリコ姫が近々結婚をするのではないか?……などという噂がまことしやかに流れているようでありますが、それは全くのデマであり、そのような事実は一切ありません!」
「ハイ、カァ~~ット!!」
ブタフィの演説をケータイの動画に収めたシチローは、満足そうに笑みをこぼした。
「よしよし♪これで完璧だ♪」
演説の台本を書いたのは、シチロー。これをブタフィに読ませ、証拠としてそのもようをケータイの映像に残す。
あとで『そんな事を言った覚えは無い』などとブタフィに言わせない為だ。
「やいブタフィ!もしイベリコを困らせるような事しやがったら、この映像はすぐにでもブタリアの全国民の前に公表するからな!もう身勝手な野望を企てる事は諦めるんだな!」
まるで『水戸黄門』の印籠のように、映像の映った自分のケータイを見せつけ、ふて腐れ顔のブタフィを睨み付けるシチロー。
そして一変、その表情を優しい笑顔に変えイベリコの方へと向けると、穏やかにこう言った。
「さあ、これでオイラ達の仕事は終わったな♪
あとはイベリコ。君がこの国を立て直す番だよ♪」
「はい!チャリパイの皆さん、本当にありがとうございました!
いつかシチローさんは『ニッポンにはもうサムライはいない』と言っていましたが、そんな事はありません。
この国を救ってくれたチャリパイの皆さんは、私にとって紛れもない正真正銘の『サムライ』です!」
真っ白な『バカ殿』メイクに金ぴかの羽織姿……どう見てもあの凛々しい侍とは似ても似つかないチャリパイの四人ではあったが、それでもイベリコは心の底からそう思ったのだ。
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