チャリパイ14~最後のサムライ!




絶体絶命………


チャリパイの今の状況を表すのに、これほど適切な言葉は無い。


今まで数々の困難を、持ち前の奇跡的な悪運の強さで乗り切ってきた彼等ではあるが、今回の状況は過去のどの状況よりも最悪であると言える。


遠い異国のブタリア王国、完全なアウェイ。


相手は軍隊、縛られて身動きもとれず逃げる事も戦う事も出来ない。


チャリパイ唯一の味方であるイベリコの説得にも全く耳を貸さない冷酷非道のブタフィ……彼が今から考えを改めるとは到底思えない。


そして、何しろ圧倒的に最悪なのは、今日この処刑が執行される事を今この場所にいる人間以外に誰も知らない事である。


『イベリコ救出作戦』で行動を共にしたブタマーンをはじめとするトンカーツ市民にもこの情報は伝わっておらず、彼等が助けに駆けつける事は考え辛い事であった。


仮にもしチャリパイの誰かにケータイが渡され、誰かに助けを求める事が出来たとしても、もう時間は僅かしか無い。


もう、チャリパイそしてロースの五人が助かるには……
今すぐ隕石でも堕ちてきて、ブタフィとその部下達に直撃でもしなければ無理なのでは無いか?


その位、絶望的な状況と言えるであろう。



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