チャリパイ14~最後のサムライ!
誘拐
「大変だわっ!
外の連中がこっちに向かって来たわよ!」
突然、事務所の方に向かって走り出して来た男達を見て、慌ててドアを閉めて大騒ぎをする子豚。
「一体、奴らは何者なんだ!何の目的で……」
全員サングラスの集団なんて、怪しい事この上ない。そんな連中が、この事務所に向かって来ていると知って、シチロー達の間にも緊迫した空気が張りつめた。
「きっと、スキヤキ横取りに来たのよっ!早くどこかに隠さないとっ!」
「そんな訳がね~だろっ!」
緊迫のベクトルがどこか違う子豚に向かって、すかさずシチロー、てぃーだ、ひろきのツッコミが飛ぶ。
と、その瞬間。
「きっと、ブタフィ将軍の親衛隊だわ!
私を連れ去りに来たのよっ!」
今度は、青ざめた表情でイベリコが叫んだ。
「ブタフィ将軍って、さっきの話の……けど、その親衛隊がどうしてイベリコを連れ去りに?」
チャリパイの四人は、イベリコがブタリア王国の姫だという事実をまだ知らない。しかし、イベリコの表情を見れば、今の状況が彼女にとってかなり危機的なものである事は、容易に想像が出来た。
.