チャリパイ14~最後のサムライ!
(もっと簡単に姫様をさらうつもりが、油断した……クソッ!)
親衛隊のリーダー格の男が、悔しそうに舌打ちをする。
まさか、イベリコと共にいたあの日本人達が、こんな物を仕掛けていたとは予想だにしなかった。
「早く姫を探せ!まだその辺に隠れている筈だ!」
充満する煙を掌で掻き分ける様にしながら、イベリコを探して事務所の中を歩き回る親衛隊の男達。
しかし、チャリパイが仕掛けたトラップは、煙幕だけでは無かった。
床から十五センチの高さには、てぃーだとひろきが仕掛けた何本かの白いロープが張られていた。
そのうちの一本に、親衛隊の一人の足が引っかかった!
「ン?」
次の瞬間。
ガラガラガラガラッ!
壁の前に、整然と積み重ねられていた段ボールの蓋が開き、横積みにされていた大量の缶ビールが、雪崩のように親衛隊めがけて押し寄せてきた!
「うわああ~っ!!」
ロープに足を引っ掛けた男は、崩れて山になった缶ビールの下敷きになり、他の者は床に転がった缶ビールにバランスを崩し、背中を派手に床に打ちつけていた。
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