チャリパイ14~最後のサムライ!
イベリコ姫と一緒にいた日本人にいくらか邪魔をされたものの、当初の目的であった、イベリコ姫誘拐の任務は何とか達成させられそうだ。
と、ブタフィ親衛隊のリーダーは安堵の表情を浮かべていた。
「イベリコ姫、我々と一緒に来てもらいましょう」
「イベリコ?…私、イベリコじゃないわよ。
イベリコなら、シチロー達と一緒に行っちゃったんじゃないの?」
そう答え、ひとり黙々とスキヤキを頬張る子豚だったが、親衛隊には全く信じてもらえなかった。
「何をみえすいた事を言っているんですか!さあ~お前達、姫をお連れするんだ!」
“お連れする”と言葉では丁寧だが、別の言い方をすれば“拉致”である。
親衛隊は数人がかりで子豚をスキヤキから引き剥がしにかかる。
「ちょっと!何するのよ!まだお肉が残って……」
次の瞬間、スキヤキを抱え込むようにして抵抗していた子豚の力が急に緩まり、子豚は意識を失った。
親衛隊の一人が子豚の鼻と口を、クロロホルムを含んだ布で覆ったからであった。
意識を失った子豚は、黒い布袋に入れられ親衛隊の一人に担がれた。
のだが……
「おい、誰か手伝ってくれ!重くて一人じゃ無理だ!」
何とも失礼な親衛隊である……
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