チャリパイ14~最後のサムライ!
子豚を入れた黒い布袋を二人がかりで抱え、親衛隊が事務所をあとにしようとしたその時……
突然、どこからともなく軽快な音楽が事務所の中から響き渡ってきた。
「ン?何だこの音は……」
その曲名は、山本リンダの代表曲『狙い撃ち』
事務所のテーブルの上に置いてあった子豚のケータイの着メロであった。
二十代の子豚からは、かなり世代が異なるが、子豚はこの歌詞が大好きであった。
『この世はわたしの為にある』
『見ててごらんこのわたし~今に乗るわ玉の輿』
これは、まさに自分の為にある曲なのだと、子豚はこの曲を大いに気に入っていた。
しかし、そんな事を外国人である親衛隊が知るよしも無い。
「おい、ボヤボヤするな!コインパーキングの時間が過ぎちまうだろっ!」
外からリーダーの怒声が聞こえた。
ブタフィ親衛隊は、森永探偵事務所へ来るのにレンタカーを借りて、この近くのコインパーキングにその車を停めて来たのだった。
見かけによらず、マナーの良い外国人であった。
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