チャリパイ14~最後のサムライ!



「やっぱり電話に出ないよ……コブちゃん」


ケータイを耳に当て、ひろきが心配そうに呟く。


シチロー達が事務所から脱出してから、既に一時間が経過していた。



あれから十回以上も子豚のケータイに電話をかけているが、子豚は一向に電話に出る気配が無い。


「よし、事務所に戻ってみよう!」


恐らくあの親衛隊の連中は、もう事務所にはいないであろう。


そうある事を願いながら、シチロー達は再び森永探偵事務所へと戻る事にした。




事務所の近くまで来ると、てぃーだが車から降りて窓から事務所の中が窺える場所まで歩いて行った。


「大丈夫、誰もいないみたいだわ!」


「了解!じゃあ中に入ろう!」


てぃーだの合図と共に事務所へ戻ると、想像していた通りその中はもぬけの空であった。


親衛隊の姿も無いが、子豚の姿も無かった。



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