チャリパイ14~最後のサムライ!
「ごめんなさい!コブちゃんさん、きっと私と間違えられてブタフィの親衛隊に連れて行かれたんだわっ!」
三人の話を聞いていたイベリコが、突然声を震わせその場に泣き崩れた。
「イベリコ……」
「すべて私のせいです!私が皆さんと一緒にいたばっかりに!」
子豚がさらわれた事に責任を感じ、泣きながら詫びるイベリコに三人は少なからず驚いた様子であったが……
やがてそのイベリコに対し、シチローが優しく微笑みを浮かべ言った。
「泣いてたって何も始まらないよ、イベリコ♪
……それより、そろそろオイラ達に話してもらえないかな?……全部」
「えっ、全部……?」
予想外のシチローの台詞に、涙目のまま顔をシチローの方へと向けるイベリコ。
「そう!
なぜ、そのブタリア王国のブタフィ親衛隊とかっていう連中がイベリコをさらおうとしていたのか?……君は、ブタリア軍と何の関係があるんだい?」
この時、シチロー達はまだイベリコが亡き国王の娘だという事実を知らなかった。
だが、今回の誘拐事件に一国の軍の親衛隊が絡んでいる事からも、イベリコが何か特別な事情を抱えている事を、シチロー探偵ならではの嗅覚で感じ取っていたのだ。
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