チャリパイ14~最後のサムライ!
あれから一時間程が経過し、無事出国手続きを済ませたシチロー達は、ブタリア王国行きの飛行機へと乗り込んでいた。
イベリコは、子豚のパスポートを使い、日本国籍の子豚としての搭乗。
これは、シチロー達が現地で子豚を救出し日本へ帰る時の辻褄を合わせる為の対策である。
「それにしても……
この飛行機、ホントにボロいな……これでちゃんと飛べるのか?」
席に付くなり、シチローは眉間に皺を寄せながら呟く。
よく見れば、内装には当て継ぎが施されていて、壁には一部ベニア板を使っている所もある。
客席に目を移せば、肘掛けが壊れているらしい席もいくつか見受けられた……いくら運賃が安いと言っても、これは酷過ぎる。
「シチロー!自分でこの飛行機選んだくせに、縁起でもない事言わないでよ!」
「そうだよ!乗務員さんが聞いてたら怒られるよ!」
シチローのデリカシーに欠ける言動を、てぃーだとひろきの二人が牽制する。
これから飛行機で飛ぼうという時に、不安を煽る発言は厳禁である。
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