チャリパイ14~最後のサムライ!
「コブちゃんに双子の姉妹がいたなんて、聞いてないよね……」
「まさか、記憶喪失じゃないだろうな……」
困惑するシチローとひろき。
すると、暫く腕を組んで考えていたシチローが突然こう切り出した。
「よし!もし君がコブちゃんじゃ無いと言うなら、好きな“四文字熟語”を言ってみなさい!」
好きな四文字熟語……
それで何か判るとでもいうのだろうか?
二人の目の前に立つ子豚は、訳が分からないという顔をした。
しかし、戸惑いながらもシチローに言われた通り、思い付いた四文字熟語を口にしてみる。
「『一期一会』」
「別人だっ!」
それを聞いたシチローとひろきは、すぐさまそう叫んで驚いたようにお互いの顔を見合わせた。
「コブちゃんなら、絶対『牛丼特盛』とか言う筈だ!」
「それか『焼肉定食』だよね!」
なるほど……確かに、それは言えてるかも……
「私、そんな人と間違えられてたの?」
子豚にそっくりなその女性は、なんとも複雑な表情で呟くのだった。
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