チャリパイ14~最後のサムライ!
途中で途切れた機長のアナウンスに、乗っていた全ての乗客がざわめき立つ!
「ちょっと、CAさん!今のなんだよっ!」
考えてみれば、機長の名前が『落田』というのも十分ツッコミ甲斐はあるのだが……
今はそれどころではない。
乗客の関心は機長が最後に発した『あっ!!』に集中した。
「スゲ~気になるっ!」
いったい何があったんだ!」
騒然となる乗客達をなだめようと、CAの朝霧がマイクを取り冷静に話し掛ける。
「はい皆さん、落ち着いて!今、私がコックピットへ行って確認して来ますから、どうか騒がずにお待ち下さい!」
そう言い残すと、朝霧はクルリと背を向けコックピットのある飛行機前方へ向かって足早に消えて行った。
緊迫した表情で、しばし静まり返る乗客達。
なんとも居心地の悪い重苦しい空気が漂う中、やがてコックピットの確認に向かっていた朝霧が戻って来た。
「どうだったんだ、CAさん!」
「皆さん、実はさっき、飛行機の油圧系統に不具合が発生し、異常を報せる警告灯が点灯しました!」
「ええぇぇ~~っ!
それじゃ、この飛行機堕ちるのか!」
「いえ、ご安心下さい!機長が計器をぶっ叩いたら、警告灯が消えたそうです。
大丈夫、ウチの実家のテレビもそうすると直りますから!」
「そんなので安心できるかああぁぁ~~っ!」
ラッカーエアライン……どうやら、オンボロなのは飛行機の内装だけではないようである……
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