チャリパイ14~最後のサムライ!
「コブちゃんさん、大丈夫でしょうか……私、とっても心配です……」
飛行機が堕ちるかどうかという事よりも、イベリコには自分の身代わりとなってブタフィ親衛隊に連れ去られた子豚の安否の方が気にかかっていた。
「大丈夫だよ、イベリコ♪少なくとも正体がバレなければ、彼女はブタリアの次期王女として丁重なもてなしを受けているはずさ♪」
浮かない表情のイベリコを元気付けようとシチローがニッコリと笑うと、てぃーだもイベリコの肩に手を添えて優しく微笑む。
「ブタリアへ着くまであと五時間程あるわ。コブちゃんの事は着いてから考える事にしましょう♪」
シチローとてぃーだの心遣いが通じたのだろう。イベリコは小さく頷き、スキヤキパーティで見せたような笑顔を二人に送った。
「ありがとうございます♪」
イベリコと笑顔を交わしたてぃーだは、その顔を窓の外へ向けると少しだけ顔を引き締め、ぼそりと呟く。
「むしろ心配なのはコブちゃんよりも、今この飛行機に乗っているアタシ達なのよね……」
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