チャリパイ14~最後のサムライ!



ミミガーのした行為は、生活の為に働き詰めである父親の事を想ってした盗みであった。


だから尚更の事、父親に殴られ説教されたのが悔しくて仕方なかったのだ。


そして、そんな親子の様子に最も胸を痛めていたのは、サングラスやマスクで正体を隠してその場にいたイベリコであった。


(ブタフィ将軍の軍事政権は、こんな子供達の心まで……)



チャリパイの三人も、バッグを引ったくられた怒りなど、もう既にどこかへと吹き飛んでしまっていた。


ひろきが親子に向かって言う。


「もういいよ…バッグ戻ってきたし……
それにこの中、お金とかちょっとしか入ってないしさ~欲しいものは全部シチローが出してくれるから♪」


「おい。ひろき!
ドサクサに紛れて変な事言わなかったか、今?」


「えっ?だって、おみやげとか全部シチロー持ちじゃないの?」


「なんでそ~なるんだよっ!」


「え~~~~っ!違うのおぉ~~?」


ひろきとてぃーだの声がハモった。


「ティダまで………」



説教ならば、ミミガーよりもむしろこの二人にして欲しい……と、本気で思ってしまうシチローであった。



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