チャリパイ14~最後のサムライ!
「なんだよ、それ。
まるで今生の別れみたいな言い方して……」
シチローが、少し不満そうに口を尖らせた。
「皆さんとはここでお別れです!
さあ、早く逃げて下さい!ブタフィ軍の追っ手がやって来ます!」
宮殿の方向から、砂煙が巻き上がるのが見えた。ジープが二台こちらに向かって近付いて来る。
「さあ、早くダチョウに乗って!」
イベリコが更に大きな声で叫んだ。
イベリコに急かされ、それぞれのダチョウに乗るチャリパイ。
ヒゴーに乗ったシチローが、後ろを振り返ってイベリコに話しかける。
「分かったよイベリコ……でも、必ず助けに来るから!」
そんなシチローに、イベリコは何も答えずただ、微笑みを見せるだけだった。
「ヒゴー!ジモン!リューヘー!
走って!」
クゥェェェ~~~~ツ!
イベリコの掛け声と同時に、チャリパイを乗せた三羽のダチョウは脱兎のごとく走り出した!
「イベリコオォォ~~~!」
「絶対助けに来るからねぇぇ~!」
子豚とひろきが後ろを振り返り、大声を上げて手を振っていた。
シチローとてぃーだは、顔は前を向いたまま、右手を高々と挙げていた。
「さようなら……チャーリーズエンゼルパイ……………」
走り去るチャリパイの後ろ姿を潤んだ瞳で見つめながら、イベリコは一言そう呟いた。
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