チャリパイ14~最後のサムライ!
処変わってここはブタマーン家。
チャリパイのアジトでは……
「だって、こ~~~んな顔してるのよ!ブタフィなんて!
私は『向井 理』みたいなイケメンしか興味が無いのよっ!」
両手で自分のほっぺたを左右に引っ張りながら、人差し指を鼻に当てて押し上げる……そんな顔を皆に見せて、宮殿でのブタフィの求愛を不機嫌そうに話す子豚。
同じブタフィを嫌うにしても、イベリコと子豚とではその理由に雲泥の差がある。
「それはそうと、イベリコは今頃どうしてるんだろ……早く助けに行かないとね」
「シチロー、この間の作戦じゃダメなの?もうちょっとのところまでいったじゃない」
「いや、あれはもう使えないな!
ブタフィだって馬鹿じゃ無い。今頃は宮殿の警備だってもっと厳重になっている筈だよ」
チャリパイはイベリコ救出の約束を諦めた訳では無かった。
だからこうして、子豚を救出した後にもブタマーン家に留まっている訳である。
「すみません、ブタマーンさん。滞在の予定が長引いてしまって」
「なぁに、事情が分かれば協力しない訳にはいかんよ♪君達が今やろうとしている事は、この国の国民の願いでもある」
チャリパイと同じ部屋にいたブタマーンは、快くそう言って笑った。
チャリパイの行動がブタマーンに知れたきっかけは、マスクなどの変装無しに素顔のまま戻って来た子豚の姿をブタマーンに見られた事からだった。
崇拝するイベリコ姫に瓜二つの子豚を見たブタマーンは、腰を抜かす程に驚きパニック状態に陥った。
そのブタマーンを落ち着かせる為に、チャリパイは今までの経緯をブタマーンに話す事を選択したのだった。
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