甘い笑顔のキミ
「あ、いた。」

二人揃って振り返るとそこには和樹が立っていた。


「なんだ、また和樹か。どうしたの?」

「“なんだ”って…。柏原が渚に用があるって。…って、あー!!舞のクッキー!!」


和樹は私の手にあるほとんど空っぽの袋を見ると突然叫んだ。

「渚、おまえほとんど食いやがったなー!!」

「…あ、ほんとだ。」

袋いっぱいに入っていたクッキーは残り数枚になっていた。

「俺は今日、それを楽しみに学校に来たというのに…。」


「えーっと……ゴメンネ?」

とりあえず謝っとこう。

でもしょうがないよね。
だって舞のクッキーおいしいんだもん。

早く来なかった和樹が悪い。

「てめぇ…謝る気ねぇだろ…。」

ジロリと睨む和樹に舞が慌てて声をかけた。


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