甘い笑顔のキミ
「相川くん…。」

目の前で立ち止まった相川くんは、少し緊張しているようで。

「…ちょっと待ってて。」

小さな声でそう言うと隣の着替え専用の教室に入っていった。


それと同時に教室からは柏原くんの大きな声が聞こえてきた。

「相川、休憩でーす！！」

その声と同時に、何人かが落胆し、何人かが教室から飛び出してきた。

（何！？みんなどこ行くの！？）

するとちょうど着替えを終えたらしい相川くんが隣の教室から出てきて、そのまま飛び出してきた人たちによって囲まれた。

「相川くん！休憩入ったなら一緒にまわろ！」

「ずるい！私たちとまわらない？」

「いや…俺はちょっと……」

すごい勢いで迫る女の子たちに相川くんは驚きながらも断ろうとしてる。

でも女の子たちにはそれが聞こえていないみたいで、相川くん関係なしに女の子同士で相川くんの取り合いになっていた。



< 152 / 163 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop