甘い笑顔のキミ
着いた場所は屋上で、赤くなった顔を少し冷たい風が冷ましてくれる。

手はまだ繋がったままで、お互いに一言もしゃべらない。

(返事…言わなきゃ…。)

私はギュッとネックレスを握り締めた。

「相川くん……。」

ゆっくりと振り返る相川くん。

優しく手を離され、真っ直ぐに見つめられる瞳が不安に揺れている。


私はそんな相川くんが愛しくなって、気がつけば相川くんを抱きしめていた。

「藤崎さん…?」


相川くんの不安げな声。

…こんなにも、相川くんを不安にさせてたんだ…。


抱きしめる腕に力がこもる。
ドキドキと胸が音をたててうるさい。


「……私は…」


私はゆっくりと口を開いて、言った。





「―――相川くんが好きです。」





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