甘い笑顔のキミ
ガチャリ、と教室に鍵をかけ、外に出るとすでに真っ暗になっていた。
(うわぁ…真っ暗……。)
私、暗いのダメなんだよね……。
学校から出て、目の前にあるのは
細くて街灯ひとつ無い真っ暗な道。
「藤崎さん、どうかした?」
前を見て動かない私を見ながら不思議そうにたずねる相川くん。
「な、なんでもないよ!」
しっかり者なんて呼ばれてる私が暗いの苦手なんて
絶対笑われる……。
そう思い、なんでもないと言ったものの
笑ったはずの頬が引きつってるのがわかる。
「………ならいいけど…」
なんだか納得いかないような顔でそう言った相川くんは
なんの躊躇もなしにそのまま進んで行こうとする。
(…あれ?)
「相川くんって帰り道、こっちだったっけ?」