甘い笑顔のキミ
ふと疑問に思い、聞いてみる。


この道を通ってくる生徒はほとんどいなくて

気味が悪いくらいに人気がないことで有名な道だから

誰がこの道から来てるかなんて、毎日通ったらすぐに覚えられる。


相川くんはたしかこっちの道じゃないはず……。

「違うよ。」

たった一言。
あっさりとした答えが返ってきた。

「…え……?」

あまりにもあっさりすぎて

少し驚きながら相川くんを見ると

いつも通り、にこにこ笑っていた。


「藤崎さん、暗いの苦手なんでしょ?それにこんな暗い中、女の子ひとりでなんか帰せないよ。」


そう言い、私の隣まで戻ってくると優しく笑う相川くん。

そんな相川くんに胸がドキドキとうるさく鳴る。



「なんでっ、暗いの苦手って知って…」


驚きと相川くんとの距離の近さにドキドキして、うまくしゃべれない。

相川くんはそんな私を笑いながら

「暗い道見て、あんなに引きつった顔で笑ってるの見たら誰だってわかると思うよ?」


そう言うと、じーっと顔を見つめてきた。

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