甘い笑顔のキミ
「やることが決まったところで、次に誰か1人クラスのリーダーとして会議に参加する人決めるんだけど、誰かいない?」
しーん、となる教室。
そりゃそうだ。リーダーなんかになったらほぼ毎日、放課後の会議に出なきゃならないんだから。
もちろん、部活にも行けないし、帰りも遅くなる。
誰も立候補なんてしないだろうな、なんて思っていると
スッと後ろの方から手が挙がった。
「推薦いいかな?俺、藤崎がいいと思うんだけど…」
……は?
突然の言葉に体が固まる。
「それいい!渚、頼りになるし、しっかり者だし!」
周りからは賛成の声があがる。
「え、あの…ちょっと…」
「みんなからの推薦もあることだし、藤崎やってくれない?」
手を合わせて様子を伺うかのように私を見る柏原くん。
どうしよう…。
本当は嫌だけどこれは断るに断れない…。
私が返事に困っていると、ガタッと椅子をひく音が聞こえた。
「俺やるよ。」
「おっ、相川やってくれる!?」
柏原くんの言葉に胸がドクン、と鳴った。
「うん。俺、部活やってないし丁度いいでしょ。」
相川秋くん。
とにかく誰にでも優しくて、笑顔を絶やさない。それでいて顔も整っているから男女問わず、人気者。
…そして、私の好きな人でもある。