甘い笑顔のキミ
びっくりしながら扉の方を見ると。


「…相川くん…?」


そこには息をきらしながらこちらをみる相川くんがいた。

「…っはぁ……やっぱり、残ってた…。」


相川くんは息を整えると、私の前の席に座った。

「終わってないの、あとどれだけあるの?」

「え…えっと…」


突然の登場に驚きながらも、残っているプリントを相川くんに渡す。


…なんで相川くんがまだ残ってるの…?

会議はとっくに終わってるはず…。


「会議終わった後に先生に雑用頼まれちゃって。終わったから帰ろうとしたら教室に電気ついてるの見つけて。」


私の心の中の疑問が聞こえたかのように、プリントに目を通しながら話す相川くん。


一度話を区切り、顔をあげると


「もしかして、と思って戻ってみたら藤崎さんいるし、びっくりしたよ。」


…困ったような顔で笑った。


< 42 / 163 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop