甘い笑顔のキミ
「でも田中くん、塾あるんじゃないの?」

たしか先週くらいに手伝ってもらおうと声をかけたら、
塾があることを理由に断られた…いや、逃げられた気が…。


「いや、今日はない。てか俺、塾行ってない。」

「………え?」


思ってもみなかった返事が返ってきて、そのまま田中くんを見続ける。

すると田中くんはバツの悪そうな顔をして、俯いた。


「…その、先週は…いきなりで驚いて……その、なんていうか…」


俯きながらボソボソと言うおかげで、何を言ってるのか聞きづらい。

「…ごめん、聞こえない。」


そう言って立ち上がり、田中くんの顔を覗き込むと、
一瞬にして顔を赤くさせると同時に一気に後ずさった。


え…?私、今なにかした?


一瞬の出来事に驚きながら田中くんを見ると、赤くなった顔をおさえながら驚いた表情で私を見ていた。
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