甘い笑顔のキミ
「お…おま…っ、顔、近…っ」

赤い顔を必死で手で隠しながら、あわてる田中くん。

「…どうしたの?」

驚きながらも、もう一度ゆっくりと近づくと、
田中くんは手のひらを私に見せ、“待て”と手で制した。

それに従いその場で止まると、
落ち着いたのか、田中くんが近寄ってきた。

その瞳は真剣そのもので、
自然と背筋が伸びた。

(…なんだろ?)

私の目の前で止まると、真っ直ぐに見つめられる。

そして、ゆっくりと口を開いた。


「…俺、藤崎のことが好きだ。」

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