甘い笑顔のキミ

私が聞くと、田中くんは少し悲しそうに笑いながら言った。

「…最近の藤崎、放課後くるの楽しみにしてるから。」


「…え？」

放課後楽しみにしてるのと相川くんがどう繋がるの？

思わず聞き返すと、上から押さえ込むように頭をグシャッとされた。

「…藤崎が嬉しそうにしてるときは、ほとんど相川が関わってんだよっ。」


半分やけくそのように笑いながら言うと、そのままさらに強くグシャグシャと頭をなでられる。


「ちょっ…やめ…っ」

「はははっ」

しばらく二人でそうしていると突然田中くんが手を止めた。


「…それじゃ、そろそろ帰るわ。ちょっとしたイジワルもできたことだし。」

「え？」

(…イジワル？）


田中くんは満足そうに笑うとドアを開けて廊下に向かって楽しそうに言った。


「…そんなとこにいないで入ってこいよ、相川。」