甘い笑顔のキミ
そう言って今まで忘れられていたプリントの山を
ポンポンと叩いて見せる相川くんは

やっぱり小悪魔…にしか見えなかった。

(…っていうか。)

作業をしながら向かいに座る相川くんをチラッと見る。

相川くんは特に変わったことなく
いつも通り作業をこなしている。

……なんで、こんなに平気なの…?


さっきからずっとそわそわしっぱなしの私とは違い、
落ち着いた様子で、いつもより楽しそうに作業をする相川くん。


“なんとも思ってないような相手には手出さないから”


ねぇ、それって少しでも私のことを想ってくれてるってこと?

好きでいてくれてるってこと?


聞きたくても
『違う』
その一言が怖くて聞けない。

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