甘い笑顔のキミ
私の視線の先には、周りとは違うオーラを放ちながら歩く、見慣れた二人組の姿があって、すぐにそれは和樹と相川くんだということが分かった。

慌てて視線を逸らそうとすると、
しゃべっていた和樹とパッと目があった。

（やば…っ）

和樹も私に気づいたらしく、立ち止まって驚いた表情を見せていた。

そして当たり前かのように相川くんも立ち止まると、キョトンとした顔でこちらを向き、和樹同様に驚いた表情をした。

「どうしたの渚？」

舞は固まったまま動かない私に声をかけると、私の視線をたどって、体を少し前のめりにさせた。

「あっ、矢野くん！」

舞は和樹を見た瞬間、一気に嬉しそうな表情になり、相川くんがいることを知ってか知らずか、軽く手を振った。

和樹も手を振る舞を見ると軽く微笑み返し、その後、私を見ていたずらを思いついた子供のような笑みを浮かべると、私たちがいるカフェに入ってきた。

もちろん、その後ろには相川くんもいるわけで。

目の前まで来た相川くんに
胸の鼓動がやけに速くなった。
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