甘い笑顔のキミ
「な、なんでもない!私たちも出よっか?」


話をそらすように早口で言うと、相川くんの返事も待たずに手を引っ張りながら店を出た。


「あ…。」

店を出たはいいけど、この後どうしよう…。


思わず立ち止まると、後ろから少し戸惑ったような声がした。


「あの…藤崎さん、手…。」

「え?」


視線を下に向けるとしっかりと繋がった手と手。

「え、わぁっ!!」


咄嗟に勢いよく手を離し、相川くんを見ると、少し顔を赤くしながら苦笑いしていた。

「そんなに勢いよく離さなくても…。」


シュンとした表情で拗ねたように言う相川くん。

「あ…ごめんなさ…」


さっきまでの驚きと、自分から手を繋いでいた恥ずかしさと、今の相川くんの拗ねた様子が可愛すぎたギャップから、色んな意味で胸がどきどきする。

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