暴走族のお姫様Ⅰ〜Would like you〜
ー愛美sideー


誘拐されてから約1ヵ月


誰とも口を利かない私


毎日毎日、この真っ白な部屋で真っ白な服を着て過ごす


「俺だ、入るぞ」


そう言って入って来たのは勿論輝羅


「少しは何か食え」


輝羅は私の寝ているベッドに腰をかけた


「嫌よ…」


「なぁ、愛美…」


輝羅は私を愛美と名前で呼ぶ


「お前の兄貴達はすげぇー奴等だな」


「えっ...??」


初めて輝羅にお兄ちゃん達を褒められた


「お前は愛されて育ったんだな」


「愛なんて「俺が探し出したのは5年前だ。一向に見つかる気配がしなかった」


5年前…


そんなに…


どんなに情報が洩れないように徹底しても…

いくらなんでも、普通ならすぐに見つかってるはず…


この世界にいればすぐに分かること…
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