無敵のキラりずむ
すごく熱血に追いかけちゃう性質なので、好かれると、たまらない。

たまたまこっちが先に『いいな』とか思ってたら、いいのかも知れないけど。

どうも、彼は、自分のことに目もくれない、稀少なタイプに惹かれるようなのだ。

彼自身も、相手もたまらない。

その目下の犠牲者が、この、あたしらしいのだけれど。


「一夫一妻制の国に生まれたことは一生の不覚でしたね」

「あのね」

「きっとずっとそのシキタリになじめないまま、それでも、奔放に楽しく生きていくんでしょうけど」


小野田はため息をついた。


「・・・わかった、それは認めよう。けど」


言って、あたしの肩を抱き、ヒデタダから見えない死角へあたしの体の向きを変える。

それから手を離すと、いつもよりは近い、その距離感で、

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