無敵のキラりずむ
「紫苑ちゃんのためなら、そういう魅力的な生活を、喜んで犠牲にしてもいいと思ってるんだけど」
彼は、瞬時に周りの雰囲気までも、自分の有利に染め変える。
角砂糖20個分くらいの甘さは空気に溶かして、その瞳を黒から緑色に変化させて。
そのつややかな瞳で、一点、あたしのことを見つめる。
こういう、いちいち手を抜かないところが、すごいと思う。
女の子を見たら、口説きなさい。
って、幼少のころから教え込まれたのに違いない。