無敵のキラりずむ
なかなか魅力的な申し出ではあった。

どうせ『中性』しか好きになれないセイシツなんだ。

あたしの人生で唯一出会えた『中性』の刹那には、もう、手が届かない。

この先、『中性』に出会えるかどうかもわからないんだし・・・

『好みのルックスなら、もう女でも構わない』

と、達観していた彼女に、ちょっと自分自身も似ていたのだ。




「それは、何人目の女ってことですか?」

「また、人聞きの悪い」

「だって、小野田さんって、特定の彼女、なんていなさそうなんだもん。不特定多数の、女、ならいるんでしょうけど」


ヒデタダが、笑った。

見た目だけなら、コイツもそう、見えなくもない。

・・・し、そういうタイプでも許されそうに、魅力的だ。

でも、実際は、その見た目とは裏腹に、一途で、熱い。

アツくるしい、というか。
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