ゆびきり
「ごめん。僕ちょっと寝るから帰って。」


「たっちゃん・・・」


藍ちゃんは
僕を少し心配そうに
何度も振り返りながら
部屋を出て行った。




僕は
まだ子供だったから
藍ちゃんの気持ちなんて
気づくことも出来なかった。



ごめんね。



でも
このとき僕は
今まで僕を支えていた足場が
急に崩れていくような


そんな気持ちだったんだ。





でも
藍ちゃんは
僕のことを考えて言ってくれたんだよね?



僕たち
当然同じ高校に
行くと思ったのに…。


そう思っていたのは僕だけじゃないよね?






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