ゆびきり
少し風が出てきた。

木がザワザワ音を立てる。

藍ちゃんの白い肌
風に煽られホッペはすぐ赤くなった。

「とりあえず、藍ちゃんは成城高校で出しておきなよ」

僕は赤くなった藍ちゃんのホッペに手をあてる。


「違うの…藍ね…たっちゃんと同じレベルの高校受けようかと思ってるの!」


「え!!」


冗談・・・・

じゃないよね。
真剣な顔してるし。


「やっぱりたっちゃんも無理だって思ってるんだ」

「だって藍ちゃん学年で100番くらいだろ?」

「だって、たっちゃんの足手まといになりたくないよぅ」

「と…とにかく!!後で家で話し合おう!今日はママ達買い物に行くって言ってたしゆっくり話せるから」

僕はなだめるように
藍ちゃんに話しかけた。


「うん。でも藍ね今日は日直だから…」

「終わる頃に迎えに行くよ」


僕は頭がこんがらがっていた。


話が飛びすぎじゃないか??



これは今までのわがままみたいに
聞き入れるわけには行かないぞ…。


授業が始まっても
頭を整理するのに精一杯のまま
一日が過ぎた。



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