ゆびきり
壁にかけられている時計は
4時58分をさしていた。


僕は図書室の辞書をパタンと閉じて
ポケットの携帯に目をやった。


着信もメールもまだない。



いくらなんでも
もう終わるよな…。




そろそろ向かうかな。



僕は辞書を元の場所に戻して
カバンにノートを入れて
図書室を出た。




日直の仕事
まだ終わってなかったら
手伝ってあげよう。



なんて考えながら
少し早足で藍ちゃんの居る教室に向かった。




教室に近づくと
藍ちゃんの声が聞こえてきた。



もう一人は確か・・・・



「一真くん。何するの!?」

そう一真!

って『何するの?』って聞こえた気が…。

ちょっと教室まで距離があってよく聞こえない。


僕は急いで教室に近づく。


「藍ちゃん。好きなんだ。」

「だから彼氏いるってば!んんん!!」

「俺を好きになってよ」


様子がおかしい。

気がつくと僕は全力で走っていた。




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