ゆびきり
無言のまま藍ちゃんの手を握り締め
僕の部屋まで帰ってきた。


いま自分で見た光景が
信じられない。


藍ちゃんをベットに押し倒した。


「たっちゃん・・・。」


藍ちゃんの頬に雫がポタポタおちた。

僕は自分の顔を触った。

涙が出ていた。

涙が藍ちゃんの頬にポタポタと落ちていた。


怒り、悲しみ、悔しさ。
色んな感情が僕に涙を流さしていた。



「藍ちゃん。離れていても大丈夫だって言ったよね?」


「うん。」


「じゃあ、別々の高校に進学しよう。その代わりいいよね?」


僕は藍ちゃんの制服に手をかけた。


「たっちゃん?」


「信じさせてよ。大丈夫なら…。僕が好きならできるよね?」


藍ちゃんは何も言わなかったけど
抵抗もしなかった。




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