ゆびきり
昼休み。

藍ちゃんからメールが入った。


『今日は4時くらいに駅に行くね(^-^)v』


藍ちゃん…
今何してる?

僕のこと考えてくれてたりするのかな?




藍ちゃんが同じ学校にいないと
勉強だってやる気しないけど

藍ちゃんの素敵な彼氏でいるために
僕は頑張らないといけないよね。





僕は飲みかけの水の入ったペットボトルを飲み干した。



少し口からこぼれて
僕の首を伝って水が制服の中に入ってきた。


「つめてっ!!」


慌てる僕を見て
タケが笑った。


「たっくんて何でも出来るのに時々抜けてるところが可愛いんだよな」

「男に可愛いはないだろ!」

空のペットボトルを掴んで
タケの頭をコツっと叩いた。

ポコンと間抜けな音がした。

「それに…僕から見たらタケだって十分何でもできるよ」

タケを見ると

「そんなことないよ。俺だぞ!?」

と笑いながら言ったけど
僕は本当にそう思っていた。



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