ゆびきり
「今日はどうする?僕の部屋来る?」


僕の問いかけに少し間を空けて藍ちゃんは答える

「う~ん。でももうすぐテストだし」


「それならなおさら勉強しにおいでよ」


「そんなこといって、たっちゃんいっつも勉強しないじゃない」


少し顔を赤くして言う藍ちゃんの言いたいことは何となくわかる

またやるのかってことだろ…




「ちゃんと後半は勉強してるだろ。それともいやなの?」


「嫌って言うか…たっちゃん毎日するし、ちょっと不安になる。」


「好きだからするんじゃないか?」

「そうなんだけど…」


何か煮え切らない様子の藍ちゃん。



もしかしてほんとに嫌なのかな。


藍ちゃん
やっぱり僕のこと好きじゃないんじゃないかな…


僕の中に不安が渦巻く。




「藍ちゃんがいやならしないよ。僕嫌われたくないし。」


僕は少しため息混じりに言った。


「違うの。そうじゃないの!」

藍ちゃんは慌てて僕の腕を掴んだけど
何だかわだかまりは解けないままだった。


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