ゆびきり
「なんで怒ってるの?」

藍ちゃんはたまりかねて
ズバリ聞いてきた。

「怒ってないよ。」

本当に
怒ってるわけではない。

字を書く手も止めなかった。


「だったらしようよ…」


「今日はしないよ。僕藍ちゃんが好きだから。」


「だから違うって…」

はっきりしないな…
僕は少しイライラしてきた…。


ペンを少し音を立てて机に置き

「わからないから!なんで不安になるんだよ!」

と少し大きな声を出してしまった。



「だって毎日するから…も~うまくいえないよ!」


「だから!!嫌って言うからしないのに、なんでしないならしないでゴチャゴチャ言うんだ!?」

「だってたっちゃんわかってくれないじゃない。それに、不安だって言ったらそんなに不機嫌になるなんて、やっぱりたっちゃんはやりたいだけなわけ?」

!!!!

「わかってないのは藍ちゃんだよ!」


売り言葉に買い言葉

だったのかもしれないけど

僕は藍ちゃんの口から出たとんでもない言葉に
とてつもないショックを覚えた。


僕は、すべての言葉を飲み込んだ。


もう何も言わない。


藍ちゃんはわかってくれない。



それなら何も言わない。



黙りこんだ僕に藍ちゃんはかなり不満な様子だった。




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