ゆびきり
「中野くん!」

「あ!!めっちゃひさしぶりやん!たっくん!」

僕は交差点の手前で中野くんを発見したので
つい呼び止めてしまった。


少し大きくなって男らしくなってるな。



「藍ちゃんまだ帰ってない?」

「ああ。さっき校門のとこで話してたから、もうすぐくるとおもうで」

「ありがとう」

「おう!」

そういいながら中野くんは隣にいた女の子の肩に手を回した。


「彼女!?」

セミロングの少し茶色の髪の
小さくて細い女の子だった。

「かわいいやろ~?いまからデートや!じゃ~な~」


久しぶりに会ったけど
いつも会ってるみたいに
あっさり去っていった。



「とにかく藍ちゃんはまだ帰ってないな。」


僕はキョロキョロ見渡しながら
交差点をウロウロしていた。


藍ちゃんを見るのはホントにひさしぶり。


ドキドキする。




ドキドキのなか
『自然消滅』という言葉が頭をよぎり
僕を不安にさせた。



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