ゆびきり
何日も何日も部屋にこもって荷造りをしたけれど
結局荷物は増えないまま。



「これだけでいいの!?」

とパパとママに言われたけど

やっぱり荷物はそれ以上増えることはなかった。




そんなわけで
僕の引越しはパパの車で十分事足りた。



「お~い。いくぞ~!」


パパがそう叫ぶと、少し寂しそうなママが出てきた。


「やっぱり寂しいわ。でも頑張って。」


ママはそう言うと、僕の手を握った。


「そういっても車で1時間くらいなんだし近いんだから。過保護にもほどがあるよ。」

「そうね。ママがしっかりしないとね。」


ママは後部座席に乗ってドアを閉めた。









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