ゆびきり
「たっくん。入るぞ。」

トオが肩に手を置く


「ああ。相手は?もう来るって?」

「あと5分くらいって電話あったらしい。」

「じゃあ、ここで待ってなくていいのか?」

「本当に5分で着く奴が5分で着くなんて言うか?」

トオは飽きれ顔。

「へ?」

「5分くらいで着くなら、もうすぐ着くとか、今このあたりに居るとか、違う言い方すると思わない?」

「…なるほど。」


「たぶん30分はかかるね…早くて15分だよ。先に入っとこうぜ。」

トオは店のドアに手をかけた。


俺たちは、妙に納得してついていった。
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