ゆびきり
居酒屋で2時間。

ほろ酔いの頃に店から出て
そのままカラオケに行った。


「フリータイムでオール。抜けるのは自由!」

そう言ったトオは
はじまって2時間で姿を消していた。


僕はトイレに立ち
時計を見た。

夜中の3時6分をさしていた。


「僕もそろそろ抜けようかな…」


そんな独り言を言いながら
部屋から一番近いトイレに行ったら
男女既に使用中。


5分くらい待っても出てくる様子がない。

「こりゃ誰か中で吐いて寝てるな…」

僕はあきらめて一階下のトイレに行くことにした。

近くの階段を少し降りたら、非常口の扉が少し開いているのが見えた。
でも、さして気にせず通りすぎようとしたとき

「いいの?」

とトオの声が聞こえたから

「なんだまだいたのか」

なんて思って軽い気持ちでドアを開けてしまった。


< 166 / 336 >

この作品をシェア

pagetop