ゆびきり
「トオ財布忘れてるぞ」
玄関に向かって行ったけど
どうやら出てしまったらしい。


「仕方ない。持って行くかぁ。」


誰に言うわけでもなく
僕は玄関のドアに手をかけた。



廊下にもトオの姿はなく
自販機を手すりから乗り出して見たけど
そこにもトオの姿は見当たらない。


「おかしいなぁ…」

階段を降り、表にでると藍ちゃんが視界に入った。

とっさに隠れてしまった。


驚いてドキドキした心臓を深呼吸をして整え
そっと覗く。


藍ちゃんの前にはトオが立っていた。



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