ゆびきり
藍ちゃんが、トオの前を通り過ぎたとき

「藍ちゃん可愛いね~」

とトオが話しかけた。


明らかに迷惑そうな表情を浮かべながら
藍ちゃんは足を止めトオを見た。


「何か?」

トオはニコリと微笑みながら
藍ちゃんにそう尋ねた。


「あなたが話しかけてきたんじゃない!」

「独り言だよ?」

しらばっくれるトオにイライラしながら

「名前も言ったでしょ!?」

と叫ぶ藍ちゃん。


「ああ、君って藍ちゃんって言うのか。」


「なっ!!?」

藍ちゃんは
言葉を詰まらせた。





一体何してるんだろう…。


何か出て行きにくい…。

でも、まあ、いい機会だし・・。

僕は意を決して一歩踏み出した。
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