ゆびきり
再会
「たっくん。行くなよ。俺がいるから！」


トオは僕の足を止めた。


「どういうこと？」

藍ちゃんは僕たちをみていた。


「タケって奴と藍ちゃんが付き合ってるのを見るのが辛かったんだよ。」

「トオ。何言って…」

本当の事だけど
人に言われたら妙に恥ずかしい。


「俺と藍ちゃんが付き合ってるって？」

少し笑いの交ざった声が聞こえた。


でも…僕の知ってる声じゃない。

でも、声の主はタケだった。


タケはしばらく会わないうちに声変わりしていた。


そのことに拍子抜けして僕は立ち尽くしていた。

「タケ…」

藍ちゃんはタケを見つめた。

「藍ちゃん…ごめん…たっくんが帰ってるって聞いたから来たんだ」

タケはそう言うと
僕の方に向かってきた。


「嘘だ。付き合ってるって噂があれだけ流れてたんだ。それにタケが藍ちゃんを好きだったことは変わらない事実だろ？」

僕はタケが近付くのを拒絶するように、キツめの口調でタケに言った。



「噂だろ？直接確かめたわけじゃない」

タケは足を止めることはなく、話ながらゆっくりこちらに近付く。


そして、そんなタケの足を止めたのはトオだった。


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表紙・目次

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