ゆびきり
店は、個室形式の居酒屋

カップルが多いけど、カーテンがかかっていて顔は見えない。

「素敵な雰囲気の店ね」
藍ちゃんは、キョロキョロ周りを見渡した。

「僕も初めて来たよ。」

「そっかぁ~。ありがとうたっちゃん。」


注文した品がテーブルを埋めつくし、お酒も入ったとき、藍ちゃんが僕にもたれかかってきた。

「藍ちゃん?」

「たっちゃん…藍のこと…好きにしていいんだよ?」

「え!?」

な、な、な、な、な、な、な、何を言ってるんだ!?
ヤバイ!理性吹っ飛びますよ!?

「たっちゃん…全然そういう雰囲気にならないもん。」

藍ちゃんの指が、俺の胸元を這う様に動く

心臓はmaxに激しい鼓動をうつ。

「それは、もちろんしたいけど…前みたいに嫌われたくないし…藍ちゃんの事大事にしたいんだ!もしエッチしたら、僕歯止め効かなくて前みたいにたくさん求めるし…」

藍ちゃんは目を真ん丸にして僕を見た


ヤバイ!引かれた?

これじゃあムードとか全く無しだよな…

「たっちゃん…それって藍のこと大切に思ってるってこと…?」

「当たり前だろ。」

「よかった」

本当に安堵した表情を浮かべる藍ちゃん。

「え?」

「藍ね…たっちゃんが昔みたいに求めて来ないから、やっぱり嫌われたのかなって不安だったの。」

「そんなことあるわけない。前みたいにならないように我慢してたんだから…」


そこまで言うと藍ちゃんが抱きついてきた。


僕…我慢しなくていいのかな…
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