ゆびきり
白い箱を手にした藍ちゃんは、そっと蓋を開けた。


箱の中には、青い宝石入れが。


それを開けると
小さなダイヤモンドの付いた指輪が入っていた。

「たっちゃん…これ…」
藍ちゃんの顔は一気にほころび、欲しかったおもちゃを与えられた子供の様だった。

「僕たち、一緒にいることが自然だと思わない?」

「え…」

「僕、これから転勤もあるし…その…一緒に居たいんだ。僕のお嫁さんになってくれない?」


キョトンとする藍ちゃんに微笑みかけた。


「たっちゃん…藍…ちょっと考えさせて欲しい」

「え?」


当然O.K.だと思っていた僕は固まった。


「嬉しいの。でも…藍…まだ心の準備が出来てないの。小さいときのゆびきりのように、気軽に考えられないの。」


僕は、藍ちゃんをしばらく見つめた。


そして、少し震えるその手に握り締められた指輪を取り
藍ちゃんの指にはめた。


「いいよ。真剣に考えて。僕待ってるから。」


「たっちゃん…」


僕は、藍ちゃんにそっと唇を重ねた。


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