ゆびきり
その日は
雲一つない青空で
朝から厳しい暑さだった。



「暑いなぁ~たっくん。」

トオは、スーツによく合うネクタイを緩めながら席についた。

左胸には、キラリと光るバッチ。


「やっと半日休暇取れたよ。休みなさすぎ。」

「頑張ってるんだなぁ。でもトオが弁護士なんて驚いたけど。」

「大学首席のたっくんが警察官になったのには驚いたけどね。本当は交番勤務しなくてよかったんだろ?」


「うん。でもなりたかったんだ。お巡りさん」


僕とトオは楽しく笑いあった。


「あ。俺さぁー彼女出来たんだよ。」

「マジ!?」

いきなりの発言に驚いて声が大きくなった。


「んな驚く?失礼な。」

「トオもやっと決まった彼女に落ち着く気になってくれたんだな。」

「たっくんのおかげ。」

トオは、メニューに目を通しながら答えた。


「僕の?」


「たっくん見てたら、誰かを一途に想うのもいいなって…あ…俺これにしよう。」

トオは、生ハムのピザを指差した。


僕は慌ててメニューを見る。

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